温州みかんとヘスペリジン

冬のこたつで食べる果物の定番と言えば、温州みかん。この日本人にとって、もっとも馴染みがある果物には、血流改善作用、ストレス軽減作用などさまざまな理気作用を持つ「ヘスペリジン」が豊富に含まれています。ヘスペリジンは果肉部分よりも、皮やすじ、袋に多く含まれ、皮を乾燥させたものは、漢方の生薬・陳皮になります。

温州みかんの原産地は鹿児島県長島で、日本独自の品種になります。寒さに強く、栽培しやすく、貯蔵性も高いことから、日本で最も収穫量が多い果物となっています。現在も和歌山、愛媛、静岡、熊本、長崎、佐賀などで栽培が盛んです。

昔の人は、経験から温州みかんの「薬効」に気付いていました。干したみかんの皮を風呂に入れて温まったり、みかんの皮を砂糖と煮て、風邪予防に役立てたりと、日常生活で健康のために役立ててきました。実際に市販の風邪薬にはヘスペリジンが配合されているものもあります。

他のみかんに比べて、温州みかんの特徴は皮のむきやすさ。ヘスペリジンは皮の内側の白色の部分に最も多く含まれています。皮と果肉の間にある中果皮のことです。ヘスペリジンは「完熟みかん」よりも、熟していない「青みかん」に大量に含まれています。
温州みかん100g中のヘスペリジン含有量は、中果皮で3800mg。果肉の部分の40倍もあります。

ただ、ヘスペリジンは水に溶けにくく、体にも吸収されにくいので、みかんをたくさん食べたとしても摂取効率はよくありません。

そこで、ヘスペリジンをより効果的に利用できるように、従来の約10万倍水に溶けやすく、体にも吸収しやすい「糖転移ヘスペリジン」が開発されました。